映画「秒速5センチメートル」
というわけで昨日見てきた秒速5センチメートルについて感想などを。
ぶっちゃけると映画館で映画を見るのはこれが初めてなのですが、見に行ってよかったなぁと思います。
・全体について
一時間の映画で3つの話に別れています。
それぞれでテーマや視点が違いますね。
個人的には一話が好きです。
・CG
新海さんの絵は本当に凄いと思います。
特に光と空、そしてそのなかで動きをもたせる表現は秀逸。
二話でロケットが打ちあがるシーン等で見られます。
ただそんな中で波の表現だけがちょっと違和感を感じた。
他が凄いだけに妙にチャチっぽく見えてしまった。
・音楽
普段は特に意識するほどでもなかったけど、ここぞというときのBGMが凄く良かった気がする。
更に3話でのあの演出は反則で販促だw山崎まさよしさんのOne more time,One more chanceが
流れるんだけど歌詞と場面のカットがあまりにも合い過ぎて・・・。
おかげでパンフレットと一緒にCDも迷わず買いました。
・声優さん
大体声と役があってると思う。ただ1話でタカキの語りがところどころで入るんだけど
その時だけかすれ過ぎかなという印象を受けた。お気に入りは1話のアカリの声の人。
おかげで感情移入しまくりです。
続いては各話ごとの感想を。個人的偏見が存分に入ってますが・・・。
■1話 桜花抄
テーマは「届けたい想い」。初め結構ぽけーっと見てたけど途中から夢中になってました。
転校していったアカリに会いに行くタカキの様子をタカキ視点で描かれています。
そして出会うシーンがもういうことなしなわけで。
一人勝手に心の中で良かった良かったと安心してましたね。
■2話 コスモナウト
テーマは「届かない距離」。タカキも転校することになって(一話の時点でわかっていた)アカリとの距離が
大きく離れてしまう。転校先でタカキを好きになるカナエの視点で2話は進みます。
遠すぎて届かなくなっていくタカキの想い。近くても届かないカナエの気持ち。
特にカナエの気持ちが痛いくらいに胸にグッときました。
■3話 秒速5センチメートル
テーマは「届かなかったもの」。1、2話を通じた3人のその後みたいな話なのですがこれが結構きつかった。
演出で過去の場面が走馬灯のように流れていくのですが流れる曲の歌詞とともにグサグサと来ます。
自分の中でいっぱい考えさせられたのはこの話。
最後の踏み切りのシーンを見たときはやっぱりそうかと思いつつあまり納得していない自分が居ました。
確かに現実ではこうなのかもしれないけどせめて映画の中でくらいはと・・・。
それまでの流れからするとあれでいいのかもしれませんが。
■以下駄文+ネタバレ?
一応反転しときます→映画見終わって最後の終わり方に納得つけようと色々考えてたのですがそれでも
納得半分くらい。というのも1話で途中タカキはアカリに対して冷たい態度を取っていたとはいえ最後の
出会ってから電車に乗って別れるシーンだけから判断すれば約束された恋人のようなものに見える。
それだけの絆があればタカキが鹿児島に転校していったとはいえ、2話で栃木にいるアカリと疎遠に
なっていくのはちょっと疑問。そのくせ鹿児島で中、高を過ごして再びタカキとアカリがもともと居た
東京の大学に進学するとか。未練があるということなのかもしれないけど・・・。
現実と理想は違うってことなのかな。遠距離の恋愛は当人がいくら大丈夫だと思っていても
やっぱり距離があるのは問題で疎遠になる方が多いのかもしれない。
実際自分も大学進学時に遠くに離れた高校での親しい友人とはあまり連絡取って無いし。
でもそれはどうこうしなくても崩れない絆と思ってる結果で、離れると疎遠になりやすそうな
恋愛がらみだと自分は頑張って相手との距離を縮めようとする、
とそんな経験もしたこと無いけどそう思ってる。そうは言っても一般的にはこれは理想論で
現実は映画のように離れていくのか、葛藤のような思いが後からわいてきました。
パンフレットかどこかで見たような気がするけど温かくも切ない話となってましたが
自分には温かいよりも悲しくも切ないって感じがした。
タカキとアカリが別々の道を辿る事になっても、最後の踏み切りのシーンのように出会う可能性もある。
そんな偶然が温かさなのかもしれないけどそれを素直に認められない自分はまだまだなのでしょうかね。←反転ココまで。
・まとめ
一言で言えば切ねぇです、ハイ。
おそらくこの映画を数年前、あるいは数年後に見たのとではまたグッと印象は違うでしょう。
駄文の中で言ってたことも変わるかもしれませんね。
素直に感動するところあり、色々考えさせられるところあり
にやけそうになるところありでお勧めです。
・おまけ
3話で流れた山崎まさよしさんのOne more time,One more chanceです。
映像付きで聴きたくなって見ていたのですが若干映画中のものとは違います。
さらに一番最後のシーンは必見だと思います。
できれば映画を見た人は見て欲しいです。
自分は無意識に「あっ」と声を出してしまってその後でそういうことか〜と一人頷いてましたから。
昔はそうだったけど今はもう・・・。コレ見てよけいに切なくなりましたとさ。